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負担付遺贈の特定遺贈の課税関係

遺贈者(被相続人)に譲渡所得税が課税されます

相続人以外の者に対する負担付遺贈の特定遺贈には遺贈者に譲渡所得税が課税されます。

これは負担付遺贈における「負担部分」が財産を遺贈した者に何らかの経済的利益が生じる場合、その負担に相当する経済的利益を収入とする、資産の譲渡になるからです。

負担付遺贈の特定遺贈

負担付遺贈とは

負担付遺贈とは、財産の取得とともに債務負担の義務を履行する責任を負う遺贈をいいます。

例えば、土地を遺贈するが借入金の返済が条件となっているようなものが該当します。

特定遺贈とは

遺贈とは遺言によって、特定の人に無償で遺言者の財産を譲ることをいいます。

遺贈には特定遺贈と包括遺贈があります。

・特定遺贈とは、特定の財産を指定する遺贈です。

・包括遺贈とは、財産を特定せず割合で指定する遺贈です。

譲渡所得となる考え方

簡単な具体例
  • 不動産の相続税評価額2,000
  • 不動産の購入代金1,000
  • 借入金残高1,500

上記不動産を負担付遺贈の特定遺贈により、遺贈者から相続人以外の方へ遺贈された場合を考えます。

遺贈者はそのまま不動産を所有していたら借入金1,500の返済負担を負うところを、負担付遺贈によりこの負担が無くなります。この負担は、遺贈された相続人以外の方へ移ります。遺贈者にとっては旨味部分であり、この旨味部分を「経済的利益」といいます。

つまり、購入代金1,000の不動産を遺贈することにより、借入金1,500の負担が無くなるという経済的利益の旨味を得たと考えますので、対価1,500、購入代金1,000の譲渡が生じたことになります。

この場合の譲渡所得税の取扱いは、遺贈者(被相続人)の準確定申告において反映することになります。

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