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自分の所得は事業所得?雑所得?

事業所得と雑所得の判断区分

確定申告書を作成する際、生じた所得が事業所得になるのか、雑所得になるのか迷われる方は多いと思われます。今回は、平成26年9月1日の裁決事例をもとに、事業所得と雑所得の判断区分を紹介します。

この裁決事例は、大学の准教授が執筆及び講演等の業務から生じる所得を事業所得で申告したところ、税務署は雑所得に該当するとして争われました。裁決の結論は、事業所得として認められず、雑所得に該当し、処分が行われています。

それぞれの所得の意義など

事業所得

事業所得とは、農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業、その他対価を得て継続的に行う事業などから生ずる所得をいいます。

雑所得

雑所得とは、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得、一時所得のいずれにも該当しない所得をいいます。

事業所得の「事業」とは?

裁決において、「事業」とはどのように判断されるべきものか解釈されています。

「事業」の意味するところは、次の3点にあるといっています。

  1. 自己の危険と計算において独立して行う業務である
  2. 営利性・有償性がある
  3. 反復継続して業務を遂行する意思と社会的地位が客観的に認められる    

自己の危険と計算において独立して行う業務とは、収入を得るための必要な活動や作業などを自分の責任をもって行っているようなことを指しています。

営利性・有償性は利益目的で、対価を得ているかを指し、反復継続する意思と社会的な地位は業務から継続して安定した収入が得られているかを指しています。

事業所得に該当するかの判断

裁決において、ある所得が事業所得に該当するかどうかは、社会通念上「事業」といえる程度の規模・態様において以下の特性をもった活動によって生じた所得か否かによって判断すべきであるといっています。

  1. 営利性(利益目的である)
  2. 有償性(対価を得ている)
  3. 反復継続性(継続している)

そして、上記の「事業」といえる程度の規模・態様においてなされている活動といえるかどうかの判断は以下の点を「総合的に勘案して」判断すべきであるといっています。

  1. 自己の計算と危険においてする企画遂行性の有無
  2. 本人の精神的肉体的労務の投入の有無
  3. 人的・物的設備の有無
  4. 本人の職業・経験及び社会的地位等

自己の計算と危険においてする企画遂行性の有無とは、収入を得るために必要な活動や作業を自分の責任をもって計画的に行われていたかどうかを指しています。

本人の精神的肉体的労務の投入の有無とは、本人が一生懸命にその業務に取り組んでいるかどうかを指しています。

人的・物的設備の有無とは、業務のために人を雇っているか、設備を整えているかを指しています。

本人の職業・経験・社会的地位とは、業務から得られる収入は本人の職業、経験、社会的地位と密接な関係があるかどうかを指しています。

裁決の判断は?

裁決では、准教授の所得について、以下の判断をしています。

  • 所得については、営利性・有償性・反復継続性をもった活動によって生じた所得と認められる。
  • 「事業」といえる程度の規模・態様においてなされた活動か否かについて                       
  1. 自己の計算と危険においてする企画遂行性の有無については、業務は自己の計算と危険においてされていたが、企画遂行性は乏しい​。
  2. 精神的肉体的労務の投入については、一定の投入はあるが限定的なものにとどまっている。
  3. 人的・物的設備の有無については、使用人は雇っていない。設備はパソコンとプリンター以外の設備はなし。
  4. 職業・経験・社会的地位については、本人は准教授として勤務している大学から生活を営むのに十分な給与収入を得ていた。

以上から総合的に勘案し、社会通念上「事業」といえる規模・態様においてなされた活動とまではいえない。

したがって、准教授の所得は「事業」といえる程度の規模・態様で行われていたとは認められず、事業所得としても認められませんでした。よって、この所得はいずれの所得にも該当しないことから、雑所得の処分がなされました。

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